ふようどのふよこちゃん

ふようどのふよこちゃん

腐葉土をこんなに愛らしく 腐葉土らしく キャラクターにできるなんて!
そして、里山の腐葉土が利用されていた時代の豊かさが
描かれています。

あとがきには 作者、飯野和好さんが 生まれ育った里山が舞台になっていること
こどもの頃には 牛が田んぼを耕し、燃料は薪で 薪取りが子どもの仕事であったこと。
かまどでご飯を炊き、囲炉裏の鍋で煮ものをし、米、麦、野菜、養蚕、
お茶、醤油、味噌、炭焼き・・・と自給自足の生活で
大人たちは大変だったろうけれど こどものご本人には本当に安心な
豊かな毎日でした。と、そして それが故郷の黄金時代であったと振り返っています。
今では 遊んだ川はダムでよどみ、あの美味しかった沢の水は農薬でよごれ、
蛍もどじょうも消えてしまった。・・・と。

そんな故郷で年に数度 空家になった生家で前の山を見てぼーとして
雑木林の落ち葉をかき分けて できたばかりのふようどをすくい
香ばしいいい匂いを吸い込んで この ふようどのふよこちゃんを作ろうと
思ったそうです。

そんな 豊かな里山を ふようどの家族たちを通して 
柔かく そして しっかりと心に届くように 
描いてくれています。

腐葉土が発酵する 状態を ふよこちゃんの可愛らしくて
いい香りのする おならと 表現しているところなんて
くすっと 笑ってしまいます。
そして ぴったりです。

ぜひぜひご覧ください。

「ふようどのふよこちゃん」
飯野和好(作) 理論社



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